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ヘルス09 9月, 2021|更新された10月 15, 2021

著者とジャーナル影響度指標(インパクトファクター, Eigenfactor®)

学術出版界は長年にわたって、ジャーナルの相対的重要性を客観的に評価する方法を求めてきました。これは著者だけではなく、ジャーナルコレクションを選定する図書館司書にとっても重要な課題です。このような背景から、1975年にインパクトファクターが考案されました。

インパクトファクターとは

インパクトファクターは、科学情報研究所(ISI)の設立者であるEugene Garfieldにより医学誌を評価するために考案された、特定の専門分野内でジャーナルを比較する客観的指標です。インパクトファクターは現在、Clarivate Analytics社のJournal Citation Reportsにより、年1回発表されています。

ジャーナルのインパクトファクターは、2年間の被引用件数と、同一期間に掲載された論文数の比率です。計算式は以下のとおりです。

X年のインパクトファクター= 過去2年間のジャーナルXの被引用件数
過去2年間のジャーナルXの総掲載論文数

インパクトファクターは有用ではあるものの、ジャーナル評価における唯一の要素ではありません。ジャーナルのインパクトファクターを見るときには、少し注意が必要です。例えば、被引用件数が多い論文が少ないというだけで、インパクトファクターが非常に高くなっているジャーナルがあります。そのようなジャーナルは、この数式による利点を享受していると言えます。逆に、質の高いジャーナルでありながら、掲載論文数が多いためにインパクトファクターが低くなっているジャーナルもあります。

インパクトファクターに代わる指標:アイゲンファクター(Eigenfactor)

アイゲンファクターは、インパクトファクターに代わる指標として、2007年にワシントン大学のJevin WestとCarl Bergstromにより考案されました。アイゲンファクターは、過去5年間に出版されたジャーナルの論文がJournal Citation Reports(JCR)に引用された回数を評価するものです。

アイゲンファクターとインパクトファクターの大きな違いは、インパクトファクターは引用元となるジャーナルを考慮しませんが、アイゲンファクターでは考慮している点です。アイゲンファクターでは、被引用件数の多いジャーナルからの引用に重み付けし、被引用件数の少ないジャーナルよりもスコアが高くなるようにしています。

もう1つの違いは、アイゲンファクターの対象となる被引用期間が5年間であるのに対し、インパクトファクターは2年間であることです。また、アイゲンファクターでは社会人文科学領域のジャーナルからの引用件数もカウントしています。自誌引用は除外されます。

1つの指標を過信しない

著者は、論文の投稿先を決める際、複数の指標を考慮する必要があります。ジャーナルのインパクトファクターとアイゲンファクターではかなりの差があり得るからです。たとえば、Medicine®のインパクトファクターは1.889であり、最新のJournal Citation ReportsのGeneral & Internal Medicineカテゴリーでは169誌中99位です。しかし、アイゲンファクターによる同カテゴリーのランキングでは、Medicineは7位となっています。

論文の投稿先の選定はきわめて重要なプロセスであり、著者は相応の注意を払う必要があります。論文発表を検討されている著者には、幸いにも様々なジャーナル評価法が用意されています。ぜひ複数の指標を参照することをお勧めします。

ジャーナル影響度指標について

Journal Citation Reports (Clarivate Analytics)
Eigenfactor.org

著者向けのリソース

Author Webinars
Editorial Services for Authors
Frequently Asked Questions About Open Access
Lippincott Author Talk archives
Lippincott’s Open Access page
Lippincott’s Gold Open Access Journals (listed by specialty)

Lippincottジャーナルへの論文投稿について
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