1990年代に物理科学分野から始まったプレプリントサーバーは、医学出版界において現在その役割が日増しに大きくなっています。
プレプリントの定義
まず、プレプリントの定義を説明しましょう。 出版規範委員会 (COPE) は、プレプリントを「通常、査読プロセスの前または査読プロセスと並行して、オープンアクセスが可能なプラットフォームに著者が投稿する学術論文」と定義しています。プレプリントはオープンアクセスであり、プレプリントサーバー(オンラインアーカイブまたは論文・データのリポジトリ)に収載されています。
プレプリントサーバーのメリット
プレプリントサーバーには、以下のような様々なメリットがあります。
- 研究成果を迅速に発表できる ― 何よりもまず、著者はプレプリントサーバーから自分の発見を学術界に迅速に発信することができます。また、それにより査読プロセスによる遅れを短縮することができます。
- 科学的発見を公的に記録する ― プレプリントサーバーでは、研究成果を迅速に発表するだけでなく、重要な科学的進歩に優先順位を付けます。
- 他の研究者からのフィードバックが得られる ― 正式な査読プロセスとは別に、論文の質向上を目的とした他の研究者からのフィードバックを得ることができます。
- 資金提供者の方針に準拠する ― プレプリントサーバーはオープンアクセスであるため、著者は研究成果の公開に対する資金提供者の方針に準拠することができます。
プレプリントサーバーの未来
オープンアクセスの動向と同様に、プレプリントサーバーは今後も成長を続けていくとみられます。医学出版界は重要な瞬間を迎えています。プレプリントサーバーは医学研究の新たな出版プロセスとなっていくことでしょう。