先生がUpToDateを利用されるようになったきっかけを教えてください
會田先生:私がUpToDateの利用を始めたのは、医学部5年生の時です。
実習中に生じた疑問点をどう解決すれば良いかを調べていた時、UpToDateを知りました。私は福島県立医科大学出身ですが、大学内でも利用できたことが大きいですね。英語が好きだったこともあり、実習中に「疑問点があれば調べる」という習慣ができました。その時は教えてくれる人が周りにはいなかったので、自分なりに勉強しながら、UpToDateを利用するようになりました。卒業後は沖縄県内で研修医時代を過ごしましたが、そこでもUpToDateが利用できました。「疑問点はすぐにUpToDateで調べる」という習慣が、今でも継続できている理由でもあります。
実際にUpToDateを利用されたのはどのようなシーンですが?
會田先生:沖縄に居たのは、初期研修と後期研修医時代です。市中病院に勤務していましたし、当時は臨床現場での利用が主であり、かなり忙しい施設でしたので情報へのアクセスのしやすさが重要でした。沖縄県の患者さんは高齢者がかなり多い反面、食習慣の影響から若年層の糖尿病や透析患者さんが多かった印象です。そのような環境では、回診やカンファレンス後等の合間の時間でSummary and Recommendationsのセクションをさっと見る、鑑別の場面なら「鑑別」、検査内容を決定する時は「検査」の部分を読むなど、今必要な情報にすぐにたどり着けるUpToDateは、非常に重宝していました。
一方、当院は大学病院ですので、比較的重症度が高い、複雑な疾患、希少疾患の患者さんが多くなっています。原発事故に関連して精神を病む患者さんもいます。臨床現場では沖縄時代と同様にUpToDateを利用します。
さらにUpToDateは比較的珍しい疾患もカバーしており、詳細な情報を得られるのは大学病院での診療でも有意義です。教育面でもUpToDateを利用しており、若手医師や研修医や専攻医にも、一緒にUpToDateの画面を見ながら「調べることの重要性」を説いています。
臨床上の疑問点解決に利用されるUpToDate
研修医や学生の教育にどのように利用されているのかを教えてください
會田先生:私が所属する総合内科は、専攻医や研修医でも、外来診療では「まずは実際に診察をしてみる」という方針の元で教育を行っており、病歴や身体所見から臨床推論を立てることが重要と指導しています。
紹介患者さんの場合、診察までに時間があれば紹介状に記載されている主訴の部分から調べて鑑別診断を確認するなど、「予習」を指導します。時間の無い時は、私が主訴から予測する鑑別診断を元に患者さんへの問診内容を解説しますが、診察後に確認の意味で一緒にUpToDateを見ながら「UpToDateにも書かれているよね」と説明します。
こうすることで、実際の診療現場での疑問を解決するスキル、臨床推論を自分で組み立てていくスキルを養っていきます。
総合内科では、どのようなシーンでUpToDateを利用されますか?
會田先生:総合内科医としては、感染症を調べることが多いですし、血液疾患や内分泌疾患、膠原病に関連した検索も多いです。患者さんの主訴に「しびれ」「振戦」などがあれば神経に関する項目を調べます。