連携した簡潔な情報: よくある臨床シナリオの解決法
医学や臨床ガイドは目まぐるしく変化するため、医学部を卒業したばかりでも、経験豊かな医療従事者でも、質の高い治療計画を作成・実践 するためには外部のリソースの確認が必要です。UpToDate、Medi-Span、UpToDate Lexidrugの組み合わせなど、お互いに補完し合う包括的な 臨床・医薬品情報リソースは、医療従事者が最新情報をすばやく入手するのに役立ち、診療に関する最良の意思決定や患者アウトカムの裏付けとなり ます。Emmiソリューションの患者向け情報は継続的に更新され、医療チームと患者との連携を強化します。
シナリオ1:授乳中の母親
初めて母親になったII型糖尿病の患者が、帝王切開後に産後検診で来院しました。患者は糖尿病薬の他に、産後疼痛を抑えるために、コデインを 含むアセトアミノフェンを服用していました。患者の赤ちゃんは日中、いつもより長い時間寝ていました。これは薬が原因なのでしょうか? 薬はそれぞれ、そして併用して安全なのでしょうか?患者はこれをインターネットで検索し、うろたえてしまいました。患者はどうしたらよいので しょうか?
患者の担当医は、UpToDate Lexidrugの授乳のセクションで、授乳中の母親の薬物安全性に関する研究の詳しいレビューを見つけました。 さらに、妊娠中・授乳中の薬に関するGerald G. Briggsの権威ある文献にUpToDate Lexidrugからアクセスした担当医は、服薬を調整し、 患者の質問にも答えることができました。
UpToDate Lexidrugや電子カルテからBriggsのコンテンツへ簡単にアクセスできるため、医師は専門書やBriggsのオンラインリソースを別途購入する必要がありません。これによって医師は時間を節約でき、最善のリソースを利用して、初めて母親になった患者や乳児の診療にあたれるのです。
シナリオ2:代替薬
単極性大うつ病の患者が、植物由来の代替市販薬であるセントジョーンズワートがうつの症状を緩和する可能性があると聞きました。患者は プライマリケア医の診察中、選択的セロトニン再取り込み阻害薬である抗うつ薬のシタロプラムに加えて、セントジョーンズワートを服用して もよいかどうかを質問しました。
医師はUpToDateでセントジョーンズワートに関する情報を読み、うつの治療にいくらかの効果があることを知りました。UpToDate Lexidrugでの検索を促されて調べたところ、セントジョーンズワートとシタロプラムを併用してはならないことがわかりました。この組み合わせは、セロトニン症候群を引き起こして生命を脅かす危険性があります。医師は、この相互作用と副作用の情報を患者に伝えました。患者は、代替薬を飲む前に 医師に相談してよかったと安心しました。
UpToDate Lexidrugの広範に及ぶ天然物のデータベースは、内容に偏りがなく、参考文献付きのレビューが収載されています。これには 由来、化学、薬理学、使用法、乱用、毒性情報が含まれるため、適切な意思決定を下すのに役立ちます。
シナリオ3:副作用と薬物有害事象
がんと診断された患者が、骨痛を訴えて来院しました。患者は複数の 薬物治療を受けていましたが、その多くは初めて処方されたものでした。 初期評価では骨への転移はなく、他の原因も見つかりませんでした。
医師は、UpToDate Lexidrugでのみ利用可能なAdverse Drug Reportを確認して、骨痛を引き起こす薬のリストをすぐに作成しました。 そして、顆粒球コロニー刺激因子であるペグフィルグラスチムが痛みの原因ではないかと結論づけました。その後、UpToDateで検索し、ペグフィルグラスチムを原因とする骨痛の管理に関する情報を見つけました。
シナリオ4:薬物相互作用
非オピオイド薬に不応の慢性痛を抱える女性患者が来院しました。担当のプライマリケア医は、患者の症状をオピオイドで管理していました。 この患者に誤用のレッドフラッグ(危険信号)はみとめられませんでしたが、定期検診で薬物スクリーニングを行ったところ、アンフェタミンに 陽性反応を示しました。
医師は、患者が前回の薬物スクリーニングの後、ブプロピオンの服用を開始したことについて患者と話し合いました。検査で陽性反応が出た 理由は、ブプロピオンかもしれないからです。UpToDate Lexidrugでモノグラフを調べたところ、ブプロピオンがアンフェタミンに偽陽性の結果を 示すことが確認されました。これは、他の多くの医薬品リソースには掲載されていない極めて重要な情報です。
シナリオ5:適応外使用
うつの治療にシタロプラムを服用し始めた患者が、深刻な性欲減退を訴えて来院しました。医師は、性欲減退は副作用によるものかもしれないと考えました。 患者は、繰り返し発生する重度の緊張性頭痛も訴えていました。
医師は、UpToDate Lexidrugに掲載されるシタロプラムのモノグラフで、 抗うつ薬の有害作用を比較する詳細な表を見つけ、ミルタザピンが性的副作用を 引き起こさないことを突き止めました。また、ミルタザピンが偏頭痛の予防に適 応外使用されることも記載されており、それを裏付ける専門的なガイドライン へのリンクもありました。この情報により、性的副作用を引き起こさずにうつを 治療する代替薬をすぐに見つけることができました。
ITリーダーは包括的でシンプルな臨床意思決定支援を 実践するパートナー
情報が溢れている医療業界で、ITチームは医療チームのメンバーが必要な情報を入手・利用する際に重要な役割を担っています。統合する 情報リソースや意思決定支援リソースの選択は、臨床的にも財務的にも影響をもたらします。最良の意思決定は、信頼性が高い包括的な臨床・医薬品情報に基づいて行われます。Wolters Kluwerの臨床有用性製品は、医師、診療看護師、看護師、薬剤師に、信頼できる共通の情報源から 最新の臨床・医薬品情報をすばやく提供します。特に現在、医療業界の離職率と人材不足が問題となる中、使いやすく効果的・効率的なテクノロジーソリューションはこれまでにないほど重要性を増しています。信頼性が高く連携した情報は、最良の薬です。ITチームは、診断から 治療、回復に至るまでのペイシェント・ジャーニーを、あらゆる段階で確実に支援できるのです。
本稿は弊社編集チームに所属する以下の専門家の協力を得て作成されています。Sandy Falk, MD, Director, Editorial Relations; Steven P. Hart, MD, Director of Content, Clinical Informatics; Ted Post, MD, Editor-in-Chief, Clinical Effectiveness; Steve Stout, PharmD, MS, Director, Clinical Content; Elizabeth A. Tomsik, PharmD, BCPS, Senior Director; Reference Drug Content; David M. Weinstein, RPh, PhD, Senior Director, Clinical Content; Jennifer Mitty, MD, Deputy Editor, Infectious Diseases.