明治2年に設立されて島津藩医学校を前身とする鹿児島大学病院は、県内唯一の大学病院です。鹿児島県内には離島やへき地も多く、こうした地域への医療支援を担っています。県内のあらゆる地域の人々が最高の医療を受けられるよう、高度かつ先進的医療を提供しています。院内のIT化にも全国に先駆けて取り組んでおり、2018年4月からはシングルサインオンを導入し、UpToDateの利用促進を図っています。
鹿児島大学病院、病院情報システムと臨床意思決定支援リソースを連携し、高品質な医療を提供
30年以上前から病院内の総合情報システムを構築し、院内のIT化を推進してきた鹿児島大学病院。2018年頃から、総合病院情報システムを中心とした業務フローに臨床意思決定支援リソースUpToDate®を取り込み、医療情報システム全体の利便性の向上に取り組んできました。今回は、看護師としての経歴があり、現在は院内の情報システムのとりまとめ役を担う医療情報部 助教 岩穴口 孝先生に、現在の利用状況や今後の展望などについてお話をうかがいました。
「オーダリングシステム」の元祖。病院情報のIT化に、早くから取り組んできた鹿児島大学病院
「オーダリングシステム」はどのようにして誕生したのですか?
鹿児島大学病院では、病院業務を支える総合病院情報システム「Think(Total Hospital Information System of Kagoshima University)」を、1984年より開発・管理しています。今では全国でも一般的に使われている「オーダリングシステム」という言葉は、このThinkが始まりといわれています。医療情報部内には、診療情報管理部門と医師事務作業補助部門が設置されており、ITを活用した診療情報の精度管理から利活用まで、病院内の“情報”の流れを最適化する役割を果たしています。