質の高い患者ケアと、病院や医療システムがそれをどう提供するかに対する注目度は以前にも増して高まっていることから、専門スタッフには臨床的な専門知識、患者の価値観、そして改善を推進するための最良の研究エビデンスを組み合わせて使うことが求められています。ケアを受ける場所として、またケアを提供する場所として、その施設が最高の場所であって欲しい、と願う気持ちは皆同じです。
このような共通の目的がありながらも行動はバラバラ、ということも少なくありません。部署や質改善チームがそれぞれ孤立していると、組織全体として学び改善することはかなり難しくなります。こういった組織には、誰でも最適なエビデンスが得られ、ゼロから始めることなく有意義にそのエビデンスを活用できる単独のソリューションが必要なのです。
ヘルスケアの世界によくある情報の壁 — よくあることと甘んじない
一般的に、エビデンスに基づく実践(EBP)にかかわっているスタッフは、自分が断絶された環境で働いていることに気付いています。彼らは大きく複雑なあるビルのあるフロアで、ある部署に所属していて、その環境にだけ関係のあるプロジェクトで働いているのでしょう。その場合、病院における他のEBP関連の取り組みのことはほとんど知らないか、まったく知らないということもあります。これはつまり、以前着手されたものの完了していないプロジェクトや、再生できるかもしれないプロジェクトを始めるチャンスがある、ということです。
その人たちは、なぜ歴史を知らないのでしょうか?それは関連のあるプロジェクトやその結果について、病院で一番詳しい人をさがすことが時間のかかる、骨の折れる仕事だからです。それならいっそ、スタッフの配置換えや、色んな場所から情報をかき集めることから始めた方が楽だということに気付くのです。エビデンス探しはあまりに煩雑な作業であるのに加え、読むのにも評価するのにも何時間も費やすことになります。これは必ずしも最良の実践とはいえませんが、ほとんどの医療専門家が直面している時間的制約を考えると必要なことです。それがパンデミックによって現状はさらに悪化しているのです。
質改善プロジェクトのチーフや経営幹部の多くは、情報の壁の存在に気付いています。改善を実行し持続させるには、すべての分野・部署が連携して取り組まなければならないことも認識しています。彼らはスタッフが今まで以上に一丸となって取り組むことを求めています。なぜなら質スコアが高くなるほど、診療報酬が上がり評判も良くなるからです。その一方で、質改善やEBP、研究プロジェクトの成功には時間と人員が必要であり、どちらも不足していることも理解しています。時間が足りないことや、優先すべきことや雑務が多すぎることが、絶え間なく変革を続けることの最大の障壁になっているのです。
壁を壊すこれまでの取り組みは限定的である
病院は意図的にEBPに対して壁を作っていたわけではありません。多くの病院は情報を共有しようと尽力しています。スプレッドシートやチャットチャンネル、グループミーティング等はコミュニケーション不足を補ったり、防いだりします。しかし、これらの方法は時間がかかってスケジュールの遅れにつながることが多く、また共有した情報は、必ずしもエビデンスに基づいていなかったり、漠然としていたり、最新のものでなかったりして、EBPを成功させるには物足りません。
エビデンスに基づく実践の各段階に応じて、個人やチームを支援するツールもあります。引用文献をインポートするものや質の評価を支援するもの、報告支援するものなどがあります。これらはプロセスの特定の段階では時間を節約してくれますが、最初から最後まで情報を共有するために本当に必要な一貫性や持続性が欠けています。
エビデンスに基づく実践をより容易に実現
それではエビデンスに基づく実践の質を向上させるにはどうすればよいのでしょうか?
まず、CEOと幹部チームは、変革の文化を育て、持続的な質改善(CQI)を価値あるものと位置付けるべきです。最良の方法は、より多くのインフルエンサーや利害関係者に協力してもらい、進歩を促すことです。チェンジマネジメント(変革管理)には、コミュニケーション、教育、モニタリング、持続的なフォローアップも欠かせません。経営幹部が率先して変わらなければ、その姿勢が病院の価値観に反映され、結果的に壁が残ってしまうでしょう。
次に、確立され調和したEBPワークフローを提供する単独のプラットフォーム ー 過去に何が起こり、現在何が起きているか、将来に向けて何を計画しているかを誰もが見て知ることができるプラットフォーム ー が必要です。全スタッフが簡単にアクセスし利用できるテンプレートがあれば、これまで病院や医療システムに欠けていた総合的なプロセスが実現するでしょう。
病院には他に何が必要でしょうか?より多くのリソースが必要です。このシステムは、過去のデータや適用可能な最新の研究、これまでなかった連携機能を質改善チームに提供します。以前は時間もなく、事情もよくわからない中、スタッフが苦労しながら手作業でしていたことを自動的に実行します。最も重要なことは、このシステムによって取り組みにおける無駄な重複を省けるのです — これは組織のトップから現場まで、すべての人にとって喜ばしいことでしょう。
エビデンスを特定・整理し、フィルタリングする以外にも、この新しいアプリケーションはチームによるエビデンスの評価、連携、重要事項を特定し、得られた知見がプロジェクトの目的に役立つかどうかの判断をサポートします。ダッシュボード上では、自動生成されたエビデンス表や知見サマリーがリアルタイムで確認できます。このプロジェクト管理ソリューションはEBPの実現に最適で、すべての利害関係者に利益をもたらします。
フローレンス・ナイチンゲールは、EBPが正式に確立されるより100年以上も前に、看護という職業を改革するためにエビデンスに基づく考え方を取り入れていました。 ナイチンゲールは次の言葉を残しています。「エビデンスは、ある主張に対する賛成の意思も反対の意思も強化してくれる手段です。エビデンスこそ、真実を手に入れるための最高の手段なのです」 今こそ情報の壁を破壊してエビデンスを強化する絶好の機会です。チャンスは逃さないようにしましょう。
貴院の情報の壁を崩す一助となりうる 確立され調和したEBPワークフローを提供する単独のプラットフォーム をぜご覧ください。